2017年06月24日 沖島渡航
5月下旬の話ですが、かねてから父親が近江八幡の水郷巡りをしたいと言っていたので、今年は梅雨入りする前に行くことにしました。
それに便乗して母親が近江牛のすき焼きを食べたいと言ったので、家族3人でプチ旅行となりました。
それで、せっかくなので、水郷巡りの前に沖島へ渡ることにしました。
僕も沖島は興味があったものの、なかなか行く機会がなかったので丁度良い機会となりました。
沖島へは、船で渡るので、港へ行かなければいけません。
港は、島民の駐車場になっているので、観光客は使えません。しかし、近くに観光客用の無料駐車場があるので、そちらに車を止めることができます。
駐車場から港は少し歩かないといけません。
港には、何もありません。
待合室の小さな建物があるだけでトイレもありませんでした。
待合室で待っていると、買い出しに出られていた島民の方々が荷物を持って戻ってこられました。
船は、観光客と島民が乗り込むことになります。
やがて船がやってきました。
これに乗り込みます。片道500円です。
あの島に向かって10分位の船旅です。
到着です。
沖島は、これくらいの範囲です。
島には自動車が走っておらず、島民の足は自転車です。
ここで、初めて感じたのですが、車の走っていない環境がいかにストレスがないかということです。
通常、町で歩くとき常に車の往来に注意を払う必要があります。
これが思っている以上にストレスがかかっているのだと思いました。
車のない沖島では、そのストレスがなくてとってもリラックスしている自分に気付きました。
都会の生活に疲れた人は、沖島に来て、しばしのんびり過ごすのはとても良いとおもいます。
さて、ここで沖島について少し書いておきます。
沖島は、琵琶湖に浮かぶ島で島民が住んでいます。
淡水湖で人が住んでいる島は、日本でここだけで、世界的にみても珍しいそうです。
この沖島の歴史は、
「和銅年間に近江の国守であった「藤原不比等」(藤原鎌足の子)が奥津島神社を建立し、奈良時代には、称徳天皇への反逆の罪で追われた恵美押勝(藤原仲麻呂)が一族らと共に沖島に一時期住んだと伝えられています。
しかし、本格的に人が住むようになったのは、保元・平治の乱(1156~1159)による源氏の落武者7人が山裾を切り開き漁業を生業とし居住したことに始まると言われ、彼ら(南源吾秀元、小川光成、西居清観入道、北兵部、久田源之丞、中村磐徳、茶谷重右衛門)が現在の島民の祖先とされています。」
(近江八幡観光物産協会HPより)
これが、その奥津嶋神社です。
境内は狭いながら島を見下ろす沖島の聖地です。
ここにご祭神、興津島比賣命 が鎮座しています。
さらにその上には、山神神社が鎮座しています。
さて、藤原不比等が建立した奥津嶋神社ですが、滋賀県神社庁のHPには、御祭神を興津島比賣命 と書かれています。
以前、あるサイトで「奥玉神」の事を書いたのですが、その時に奥が興と書かれることはよくある事だと書きました。
そして、奥玉神とは興玉神であり、これは伊勢の猿田彦であること。
そして、滋賀県坂本の幸神神社は、かつては奥成社と呼ばれ、ご祭神は、奥玉神・道祖神・船玉神とも呼ばれていたこと。
これにより、興は、コウであり、幸でもあるということを考察しました。
沖島の奥津嶋姫は、宗像三女神の一柱です。
宗像大社では、沖ノ島の沖島宮に祀られており、別名タキリヒメと言います。
おそらく沖ノ島は、奧ノ島なのだと思います。
つまり、陸地にあって、里宮から山に向かい奥宮が鎮座するように、海では、岸から沖に向かって奥宮、すなわち沖宮が鎮座するのだと思います。
そうなると沖、奧、興は同じ字を表すと考えて良いと思います。
そろそろ帰りの船の出る時間がせまってきたので神社を後に港へ移動しました。
桟橋の横には、こんな伝説が書かれていました。
内容はともかく、日牟礼八幡宮と大国主命が沖島と関係深いことがわかります。
また、近江八幡には、奥津嶋神社と関係のある、大嶋奥津嶋神社というのがあります。
御祭神は、大国主神と興津島比賣神。
「社伝によると、成務天皇の治世に武内宿禰により勧請されたとされる。大嶋神社と奥津嶋神社は元は別の場所に鎮座していたが、延文6年(1361年)以前に同地に鎮座された。大嶋神社は式内小社、奥津嶋神社は名神大社論社である。」
この神社は、大嶋神社と奥津嶋神社とに分かれていたようです。
大嶋神社の論社となっているのが、近江八幡市の観光スポットとなっている日牟礼八幡宮内にあります。
「伝承によれば、131年、成務天皇が高穴穂の宮に即位の時、武内宿禰に命じてこの地に大嶋大神を祀ったのが草創とされている(この大嶋大神を祀ったのが、現在の大嶋神社奥津嶋神社なのか、境内社の大嶋神社なのかは定かではない)。
275年、応神天皇が奥津嶋神社から還幸の時、社の近辺に御座所が設けられ休憩した。その後、その仮屋跡に日輪の形を2つ見るという不思議な現象があり、祠を建て、日群之社八幡宮と名付けられたという。
691年、藤原不比等が参拝し、詠んだ和歌に因んで比牟禮社と改められたと云われる(「天降りの 神の誕生の八幡かも ひむれの杜に なびく白雲」)。」
大嶋大神とは、大国主命のこととされています。
この辺りは、元々出雲系の信仰があったことがわかります。
島から戻ると、水郷巡りの予約時間に近づいてきたので、乗り場へ向かいました。
水郷巡りは、5コースあります。
手こぎ船が2コースでエンジン船が3コース、それぞれ違った団体が運営しています。
料金はどこも同じです。
僕たちは、ゆったりと手こき船に揺られることにしました。
約1時間の道のりです。
途中、滋賀県の県鳥、カイツブリがいました。
思っていたより小さくで可愛い鳥です。
この日、同じ船に乗り合わせていた東京から来られた女性3人組がおられたのですが、県民には馴染深いカイツブリも観光客には、まったく未知の鳥でした。
この3人組、なかなかマニアックな旅行者で、東京から来ているのに、京都とかには目もくれず近江八幡だけピンポイントで観光されているようです。
僕の父親とすっかり話混んでいました。
これも旅の醍醐味ですね。
船は、Uターンをして船着場に戻ります。
この後、すき焼きを食べに行ったのですが、少し時間が早かったので、駐車場に車を止めて日牟礼八幡宮へお参りしました。
かつて近江八幡で仕事をしていた僕としてはすっかり馴染の場所なのですが、今回新しい発見というか、初めて知ったことがありました。
本殿の横に並んで鎮座している岩戸神社。
その祭神は、撞賢木厳之御魂天疎向津媛命と書かれていました。
この姫神は、ご存知のとうり天照大御神の荒魂であり、瀬織津姫の別名だとされている女神です。
なぜ、岩戸神社なのか?
いろいろと想像できそうなコマは揃っていますが、今回はこのくらいにしておきましょう。
開店の時間なので、すき焼きを食べに行きました。
近江八幡は近江牛を食べれる店がわりと多いのですが、すき焼きコースとなるとどこも10000円前後します。
でも、ここのお店の一人鍋のすき焼き御膳は、3500円(税抜き)で近江牛を食べれます。
美味しいお肉を少しという方には、これで十分です。
両親は、やはり歳なのか、さっぱりと、しゃぶしゃぶ御膳を食べていました。
たまには、こういう贅沢も良いですね。
まあ、少しは親孝行できたかなと思います。
料金は、親が出してくれたのだけど。。。。
終わり
この記事へのコメント
あの島上陸凄い!
3世紀はとても興味ありますね。で不比等が行ったのは7世紀ですからその前が知りたいですね。
以前妄想したのは白鬚神社との関係です。
猿田彦さんとも宿禰さんの頃の近江八幡との中継的な繋ぎのイメージをもっています。橘の関係もちょっと妄想しています。
柚子坊さんは本当オールマイティでどこでも行けますね、凄すぎです。私は一歩づつ順番間違いないようにステップアップして近づかないと行けないので大変です。徳の違いでしょうね。
ご家族にもとても喜ばれたでしょうね、なかなか行ける所ではないので。
神様にも周りの方にも感謝されどんどん徳が貯まりますね。
気になるのは太陽の動きで夏至と冬至にあの島からみるとどこから太陽が見えてどこに沈んで行くかです。湖は太古からあるのでその中の島は見晴らし最高ですもん。
白鬚の鳥居の方向は夕日になりそうだけど朝日の出てくる山が三上かと思ってたけどひょっとしたらもう一つの山なのかな?
どなたか体験してほしいです。湖ならビルとかでさえぎられることもなく昔からの地形がまだ体験出来るのでは?と。記事の写真もどこのお山が写っているのか気になりましたよ。dhv69t
3世紀はとても興味ありますね。で不比等が行ったのは7世紀ですからその前が知りたいですね。
以前妄想したのは白鬚神社との関係です。
猿田彦さんとも宿禰さんの頃の近江八幡との中継的な繋ぎのイメージをもっています。橘の関係もちょっと妄想しています。
柚子坊さんは本当オールマイティでどこでも行けますね、凄すぎです。私は一歩づつ順番間違いないようにステップアップして近づかないと行けないので大変です。徳の違いでしょうね。
ご家族にもとても喜ばれたでしょうね、なかなか行ける所ではないので。
神様にも周りの方にも感謝されどんどん徳が貯まりますね。
気になるのは太陽の動きで夏至と冬至にあの島からみるとどこから太陽が見えてどこに沈んで行くかです。湖は太古からあるのでその中の島は見晴らし最高ですもん。
白鬚の鳥居の方向は夕日になりそうだけど朝日の出てくる山が三上かと思ってたけどひょっとしたらもう一つの山なのかな?
どなたか体験してほしいです。湖ならビルとかでさえぎられることもなく昔からの地形がまだ体験出来るのでは?と。記事の写真もどこのお山が写っているのか気になりましたよ。dhv69t
Posted by りひと at 2017年07月11日 09:52
柚子坊さん
お元気ですか?しばらく投稿がないのでこちらへ。お忙しいのだと思っておきますね。
お元気ですか?しばらく投稿がないのでこちらへ。お忙しいのだと思っておきますね。
Posted by りひと at 2018年05月01日 18:06
りひとさん
ご無沙汰しぱなっしで申し訳ないです。
ここの更新も、もうすぐ1年間なしになってしまいそうですね。
今は、行動より自分の肉体やエネルギーの癒しに余暇を使っています。
また機会があれば更新いたします。
ご無沙汰しぱなっしで申し訳ないです。
ここの更新も、もうすぐ1年間なしになってしまいそうですね。
今は、行動より自分の肉体やエネルギーの癒しに余暇を使っています。
また機会があれば更新いたします。
Posted by 柚子木琴火
at 2018年05月03日 11:37

安心しました。
心と身体のケアが最重要ですし、柚子坊さんなら空間的も時間的壁も同じ所でも乗り越えてしまうはずですもん。
今後のご活躍応援しております。
以前の柚子坊さんのご活躍のせいか女神が少し人間に近寄ってくれてきてますよ、ありがとうございます。
記事なんて気にせずですよ、今しかない時間を自分に最適に使って下さいね。84出ましたよ。今度は7です。
心と身体のケアが最重要ですし、柚子坊さんなら空間的も時間的壁も同じ所でも乗り越えてしまうはずですもん。
今後のご活躍応援しております。
以前の柚子坊さんのご活躍のせいか女神が少し人間に近寄ってくれてきてますよ、ありがとうございます。
記事なんて気にせずですよ、今しかない時間を自分に最適に使って下さいね。84出ましたよ。今度は7です。
Posted by りひと at 2018年05月28日 21:43