2013年11月03日 日野町散策1
今回は、日野町へ散策してきました。
日野町へ訪れるのは、多分20年ぶりくらいになると思います。
実は、かなり昔ですが、最初の就職先で僕の営業エリアとして、この日野町を担当していたことがあるのです。
でも、今回は仕事ではなく、巡礼です。
町の風景も変わっていることでしょう。
日野町で最も有名な人物は、
戦国武将の蒲生氏郷です。
彼は、人質として織田信長の元に参じるのですが、その才能を見込まれ、信長の娘冬姫を妻に貰い受けます。
文武に長け、人望も厚く、
信長亡き後は、豊臣秀吉に仕え、伊勢松坂を治めます。
当時、日野から商人が移住し、今の松坂市日野町となっております。
また、その後、会津を治めることになり、
この時も沢山の職人等が会津に渡ったとききます。
会津若松の若松は、後で報告しますが、
日野町の若松の森から名付けたそうです。
この辺りも近江を巡る不思議な縁を感じます。
さて、日野町へは、近江鉄道を利用します。
ルートは、JR近江八幡駅で乗り換えるか、JR貴生川駅で乗り換えるかです。
時間によって到着時間が変わります。
今回は、近江八幡から向いました。
八日市駅を経由して日野駅へ向います。
八日市駅を目前にすると、一つの山に目がひきつけられます。
なんだろうと窓から眺めていると、それは直ぐに太郎坊であることに気付きました。
太郎坊こと阿賀神社は、天照大御神の第一皇子神である、天忍穂耳尊を祀っております。
今回向う、日野町は、同じく天照大御神の第二皇子神である天穂日命と深い関係のある町です。
また、太郎坊の近くには、近江国一宮、日本武尊を祀る建部大社の元である建部神社が鎮座しております。
どうやら、天孫族と関係の深い地域のような感じです。
日野という地名は、全国で見られます。
興味を引かれるのは、川の名、すなわち日野川として見られるケースが目立つことです。
滋賀県の日野の由来は、
古代に「日野牧」が設置されたこと、また、その昔、日野町のあたりが「桧物(ひもの)の庄」と呼ばれていたことに由来すると伝えられています。
しかし、駅名を見ると
日野駅の手前は、朝日野駅です。
朝日野の名はいつからかわかりませんが、こちらのほうが腑に落ちました。
因みに朝日野には、鋳物師という地名が見られますが、鋳物師とは、鉄、銅の鋳造を職能とする職人のことです。
銅鐸・銅鏡などの鋳銅は、弥生時代以来見られるようです。
僕が、かつて営業車で日野へ向う時は、近江八幡から竜王町を抜けて日野へ向ったものです。
この竜王町には、天日槍由来の鏡という地があり、天日槍の子孫である技術者が移り住んだそうです。
このあたりは、万葉で有名な蒲生野とされており、鏡王女や額田王ゆかりの地です。
今も天日槍を祀る鏡神社が鎮座しております。
そんなわけで、日野も天日槍と関係あるのでは・・・・なんて想像をたくましくし電車を降りました。
日野駅の隣は、水口になります。
駅は、昭和を思い出すレトロな佇まいです。
本数が少ないので、時刻表は確認しておいたほうが良いです。
さて、前ふりが長くなりましたが、
散策を始めます。
まずは駅から出て右周りに散策をしようと思います。
最初に向う先は、
比都佐神社 (ヒツサ) です。
御祭神は、
日子火々出見尊、天津日子火瓊々杵尊、木花開耶姫尊、武甕槌神、天太玉命、大己貴神、経津主神、天兒屋根神、猿田彦神
このあたりは、弥生時代から拓けていたようで、「ひさ野」と呼ばれていたようで、
久野の郷を 守護する久野大明神が祀られていたようです。
日野は、ひさ野からきているのかもしれませんね。。。
平安時代は、日吉山王社の荘園となったそうで、十禅師宮が合祀され村の名になったようです。
山王総本宮日吉大社の十禅師社というと、鴨玉依姫を祭神としているのですが、
十禅師とは、瓊々杵尊をさすようで、日野では、ニニギノミコトがよく祀られているのを見ました。
境内では、グランドゴルフを楽しまれているグループがいました。
じゃましないように参道を歩いてお参りします。
広い立派な神社です。
氏子さんの手入れも行き届いているようです。
本殿のあと、境内社をお参りして次へと向います。
ちょっと話しは、飛んでしまうのですが、
この日の散策の最後に見た駅前のイラストマップには、この比都佐神社は天智天皇が遷都を考えていた場所だと書かれていました。
最後に訪れた鈴休神社 (スズヤミ) は、その時の由来の神社です。
たまたま、知らずに最後にこの神社の前を通ったのですが、ラッキーでした。
天智天皇が、大津宮に遷都され、更に美しい都を求めてここへ訪れた時に、ここで休まれた場所が神社になったそうです。
観光案内所で、この話しを訊ねると、馬をここに繋いで休憩したとか言われていました。
この神社には、霊泉が湧いております。
興味深いのは、この神社には、
阿須波神と波日岐神が御祭神として祀られていることです。
この神は、旅の神とされていることから祀られているのだと思いますが、
滋賀県神社庁の検索で、この神を祀っている神社は、ここしかヒットしません。
この神は、アラハバキ神と関係があると考えられるので、興味深いです。
関西ではアラハバキ神は確認されませんから、名を変えられている可能性があります。
また、日野には、瀬織津姫を祀る桜川の賀川神社や天照荒魂神を祀る長寸神社 (ナガキ)がありますから、ほんと、ディープな町だと感じます。
ということで、最後にお参りした神社ですが、
最初の比都佐神社と関係あるので、ここで報告しておきます。
話しを最初に戻します。
比都佐神社のある十禅師から山王公園のある場所へ足を向けることにしました。
つづく
Posted by
柚子木琴火
at
10:19
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街歩き