2017年01月08日    稲枝・豊郷散策2


前回からの続きです。

稲部遺跡はどんな人が住んでいたのか・・・・
現地周辺を歩いてなにかイメージを得られるものはないか?
遺跡近くの神社を探すことにしました。
この辺りは田畑ばかり、すぐ近くというわけにもいかず、地図で見る範囲で一番近そうな神社を目指しました。

その名は、彦留神社です。
稲部遺跡から、まずは南側の駅へ向かって移動しました。
駅前は、やはり開発が進んで住宅化していってます。
稲枝・豊郷散策2

稲枝・豊郷散策2

そのあと、広い道を北西に向かって歩くと彦富町の交差点を通りました。
稲枝・豊郷散策2
この辺りを彦富町といいますが、神社の名前は彦留神社。
実は、元々は彦留村だったのが、明治13年に彦富村に変わったそうです。

ほぼ北の方角には荒神山が近づいてきました。
稲枝・豊郷散策2

彦留神社の手前にはお寺があります。
割と目立つ立派なお寺で初詣客もそこそこおられました。
稲枝・豊郷散策2
成田山明王寺というらしいです。

ここを越えてすぐに彦留神社は鎮座しておりました。
この辺り、結構水路が巡らされていました。
稲枝・豊郷散策2
稲枝・豊郷散策2
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彦留神社です。
稲枝・豊郷散策2

御祭神は、彦留亥大神
配祀神に猿田彦命、大山咋命

「「宝暦社堂帖」彦富村の条に「亥大明神一丈八尺一村の産土神也」と見ゆ。社伝では延暦年間の創祀で後二条天皇の時、伴主計頭なるもの神仕すと伝える、徃古大祭には「カントウ」の神事を行っていたが、元亀兵火後は復旧せず、現在は渡御を行うのみである。明治九年十月村社に加列す。」

亥大神て初めて目にしました。
ここの産土神らしいですが、どんな神様なんでしょうね?
仏教では、十二神将がそれぞれ十二支に充てられて亥の神がいますが、ここは神社ですからね。

「世界大百科事典内の亥の神の言及
【田の神】より

…水稲農耕を主とする日本では民族信仰として農神をまつる習俗は古くからあり,記紀には稲霊(いなだま)の〈倉稲魂(うかのみたま)〉や穀神の大歳神(おおとしのかみ)の名がある。
民間では,この農神は一般に田の神というが,東北地方では農神(のうがみ),山梨・長野で作神(さくがみ),近畿で作り神,山陰東部で亥の神(いのかみ)などとも呼ばれる。
東日本ではえびす,西日本では大黒を田の神と考える地方が多く,漁業神・福徳神とは別の信仰となっている。…」

田の神を山陰東部では亥の神と呼ぶそうです。
山陰東部といえば出雲辺りと見て良いでしょうかね・・・
亥の子祭りというのが西日本であるようですが、これは猪に倣って多産を祝うお祭りのようです。
農耕神で、子宝の神というと幸神を思い出してしまいます。
配祭神に猿田彦神を祀っているのも幸神に繋がります。
もう一柱の大山咋神が祀られているのは、明治44年に日吉神社が合祀されたからだと想像できます。
稲枝・豊郷散策2


明王寺と違ってこちらは参拝客はいませんでした。
なので静かにお参りできました。
稲枝・豊郷散策2

七福神がいて、お正月からなんだか縁起が良さそうですね。
稲枝・豊郷散策2

亥の神は、田の神だと先ほど書きましたが、ここの彦留亥大神は、近江守護職佐々木京極氏の崇敬を集めたため武神として信仰されたようです。
稲枝・豊郷散策2
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お参りを済ませると来た道を帰ることにしました。
稲部遺跡との繋がりを探すつもりでしたが、この近くで目を引く神社は見当たりませんでした。
ということで、ここよりもう一つ、以前より行きたかった豊郷の神社を巡ることにしました。
もしかすると稲部遺跡の住人とも関係あるのかもしれませんが、どうでしょうか?


 つづく



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Posted by 柚子木琴火 at 11:42 │Comments( 2 ) 街歩き 探訪 稲枝・豊郷 参詣
この記事へのコメント
凄い、行けた気になっています。
京極さんですね、そして亥も。
亥の子のお祭りが上野御徒町ではありますが関係してくるかなあ?この前は鞴祭りに行ってきましたけどみかん頂いてきました。笛とか風とか柚子坊さんの得意分野な気がします。近江でのご活躍応援しています。さっき気付いたのですけど神奈川でも3世紀の古墳がありそうですけど繋がったら卑弥呼も風と共に出てきそうな。1aun66
Posted by りひと at 2017年01月20日 18:16
りひとさん

こちらのブログは、古代へ思いをよせて地元を歩くことを念頭に置いていますので、できればガイド替わりになると幸いと思っています。

なかなか行けた気になるほどの緻密な表現ができませんが、少しでもその気になれるのでしたら嬉しいことです。
Posted by 柚子木琴火柚子木琴火 at 2017年01月22日 13:50
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